訳あり無表情少女と一途な旦那 〜異世界編〜

歩きながら街を見てると、街全体が赤と金の混ざった《サイコキネシス》の様なモノで覆われてる
…でも何となく、これじゃ護れないと感じる
そう思ってる内に入口まで来た
ソルさんはスル…と自然に門を通る
……、私は入れるのか?
慎重に足を進めるが、難なく入れた
怪しまれない程度に辺りを見渡してると

「痛いよぉ、お母さぁん助けてぇ…っ」

遠目でも分かる、人間じゃない親子
子供は腕を押さえて親に縋ってる

「ごめんね、もう魔力が無いの…っ」

まりょく?…魔力?
親子に視線を向けたまま

「おい、離れてもいいか?」
「何をされるおつもりですか?」
「治す」

ソルさんを見ると、懐かしむ様な表情で

「顔は見られない様にして下さいね」
「分かった」