私は蓮と紫音、ソルに人々の保護を頼み
ラルフを連れて、魔物と対峙する
この世界に来て、初めての魔物
今は《サイコキネシス》で阻んでるから来れないけど、唸り声を上げながら手足をバタつかせてる

「ラルフ、あの魔物には知性はあるの?」
〔いえ、ありません。アレは本能のままに行動するのみ
 今追い払ってもいずれ襲いに来ます
 この世で、どんな生き物に対しても唯一不変のモノが《弱肉強食》です
 やらねば、こちらがやられます」
「…」

多くの命を奪ってきた私は、もう人は殺さない
今までそう、決めてきた
でもここでは、ソレは命取りになる

だから…、殺られる前に、殺る

片手に力を纏うと、今までの赤色に金色が少し混ざってる

「…」

……蓮と紫音には見せられない
振り向き、《サイコキネシス》に暗幕を掛ける

「…ごめん」

今まで守ってきた事を破らないと、この国と人々は護れない

「…また、隠し事が出来ちゃったな…」
〔主…〕

ラルフが鼻先を頰に擦り寄せる

「ありがとう」

私は、護りたいモノの為に、この力を使う