訳あり無表情少女と一途な旦那 〜異世界編〜

蓮side
その夜
カイは栞の(いつもは俺と栞が寝てる)ベッドにラルフと寝て、紫音は風呂に
俺は栞とベランダでゆっくりしてる

「今日は色んな事があったな」
「ね、大変だったね」
「…なぁ」
「ん?」
「カイ、お前の事、お母さんって呼んだだろ?」
「…うん、呼んだね」
「……実は、前から、考えてたんだけどよ
 俺達も…、子供…つくって、みねぇか?」
「…」
「…」
「…、蓮」
「お、…おう」
「…私も、何度かは、…考えたの…」

栞は段々と俯く

「…蓮との子供は、欲しいって…何度も、思った…、けど…」
「……、けど…?」

俺を見上げる栞の目には、迷いが

「私は、蓮も知ってる通り…まともな環境で育ってない
 それに…、この世界を知るまでは、私の力は、異能だった…
 もしこの力が、自分の子供にまであると思ったら…、怖かった…
 この世界があるから、怖くなくなったけど
 それよりも…、私がちゃんと子供を愛せるかが分からない…っ」
「…っ」
「蓮と…皆と再会してからっ、やっと愛し、愛される事を知った
 それまで私は、愛が無い…いや、それ以前に感情を必要としない環境で育ってきた…っ
 そんな私が、ちゃんと育てられるのかな…っ?」

思わず栞をギュッ!と抱き締める

「ドグって奴に何をしたか…見えてなくても分かってたでしょ?
 あんなの…、カイがいる前でやるべきじゃなかった…っ!
 私には闇がある…
 忘れたくても忘れられない過去、闇が…っ
 皆が、…蓮が側にいてくれるから、私は闇に堕ちない
 でも、そんな私が子供をつくっても…、いいのかな?」

俺の胸に頭を付けて、震えながら…、今まで溜め込んでたであろう不安を漏らす

「…栞、俺の目を見ろ」

栞はゆっくりと顔を上げる
泣いて、目が赤い

「栞、…ありがとな」
「…?」
「お前も…俺との子供が欲しいって…、思ってくれてるんだな」
「…うん」
「栞の不安は、多分…もう解消されてると思うぞ?」
「…、え?」
「カイが水が飲めない時に、お前は迷わず口移しで飲ませた
 んで、カイが目を開けた時…
 お前は、スッゲェ優しい顔をしてたんだ
 それを見て、カイは母さんって呼んだ
 きっとお前は、愛情を沢山あげられる…優しい母親になれる
 そんで俺も、栞以上に愛情を沢山あげる父親になる」
「…蓮」
「今すぐにじゃなくていい
 ただ、栞も俺も…お互いに同じ事を望んでるって分かってくれてればいい
 この世界に来て、精霊も宿して寿命が長くなったんだ
 考える時間はいくらでもある
 お前自身が納得出来るまで、待ってるから…」
「…っ、蓮」

栞がまた涙を流す
そして

「ありがとう」

月明かりに照らされるその笑顔は、最っ高に綺麗で…見惚れちまう
カイが近くで寝てるのにも関係無くキスし…時に深く
ギュッと抱き締め合った