「…、!」
「この!…っ!」
自分に降り掛かる罵声と、容赦無く痛め付けられる体
何でこんな事になってるか…、仕事が失敗したからだ
まあ仕事が上手くいっても、コイツの機嫌が悪ければ八つ当たりされる
こんな事が俺にとっては当たり前の日常で
こんな奴等でも、いないと俺が生きていけない
だから今日も、いつ終わるか分からない暴力に耐えないといけない
「ったく、あぁ〜っ!!苛つくぜ。おいクソガキ、今日が何の日か分かってるよな?
さっさと取ってこい」
奴…ドグはそれだけ言うと、目の前から消える
あぁ、やっと終わった
体中に走る痛みを我慢して、ゆっくりと起き上がる
奴の所為で汚れた服、…いや、元から汚れてるか
軽く叩いて、側にある桶の溜まってる水に顔を映す
泥だらけ、殴られたから頬が赤い…、口から血も出てる
「…俺は……、」
俺はいつまで、
ギリッ…と歯を噛み締める
水を飲んで喉を潤すが、俺にはこれだけじゃ足りない
こんなただの水じゃ…っ
早く取ってきて、ドグにアレを貰わないと
アイツに投げ捨てられた布を頭から被り、外に出る
周りを見渡せば、能天気に目の前を歩く人間共
「…ッチ」
俺がこんな思いしてんのに…、お前等はっ…!
ドクンッ!
「…っ、…ぅ…」
怪我とは別の痛みが体に走る
「くそっ…」
早く…っ、早く取ってこねぇと…っ!