ここに来るんなら、この程度は誰でも倒せる
それでも周りが茫然としてるのは、倒し方だ
構えてなかったのに、気付けば斬っていた
男は剣に付いた血を振り払い

「次は?」
「…いいだろう、次はコイツだ。ダークエルフッ!」

魔物は魔法を放つ
先程よりも早い攻撃、…どうする
男は変わらず構えずに、フッ…と姿を消し攻撃を避ける

「あれ!?アイツ何処行った!?」

周りが騒めく中
男は魔物の死角から、斬った

「えっ…いつの間に!?」

何の構えも無く、一瞬で移動しやがった…
男はゆっくりと元の位置に

「次は?」

ニコッと笑顔を見せる
…、余裕こきやがって…

「ならコイツはどうだ?ガーゴイルッ!」

次はゴブリンに翼が付いた様な魔物

「うわぁっ!」

周りが恐怖で逃げ惑う
…いや、陣があんだから、お前等がビビってんじゃねぇよ
男はというと
ニコッと笑顔のまんまだ
しかも、髪に赤色が入ってる奴とフードのチビ
試験開始直後から全く焦った様子も、今でなお…怯える様子も無い
お前等…

「コイツを前に、まだそんな顔が出来るのか」
「だって、コイツを倒さなきゃ受からせてもらえないんですよね?」
「…ふん、上等だ。そこまで余裕があるなら、見事に勝ってみせろっ!」

魔物は爪を立てて攻撃する
男が避け、床がドガンッ!と破壊される
男が剣で斬りつけるが、そんなのはコイツには効かねぇ

「ん〜、なら…」

男は攻撃を避けつつ、魔物の懐に入り込み
ズバッ!と切り裂いた
剣には、緑色の魔力が
周りがまたポカン…とする

「…試験、合格だ」
「「「お〜っ!」」」

一気に歓声が上がる