訳あり無表情少女と一途な旦那 〜異世界編〜

ボソッと呟いたのを、いつの間にか側にいるソルさんが聞いてた

「ここ数年の事です
 このジュノには、今は亡き姫様の御加護があります」
「…もしかして、ここを覆ってるアレがそうか?」
「左様です
 ですが、長年の時が経ち、弱まってきているのです
 ソレを感知し、様々な魔物が襲ってくる様になりました」
「…兵士はいないのか?」
「1年程前に大規模な攻撃をくらい、殆どの兵士が犠牲になりました
 今では、ほんの数人しかおりません
 街を覆っているアレも、厳密に言えば…ただ形があるだけなのです」
「…」


色んな物を直し終えて一息吐いた途端、急激な目眩や倦怠感が襲う

「…っ」

グラ…ッとよろけると、後ろから誰かに支えられる

「…!」
「…っ!」

周りの声が遠くなっていき
眠気に耐えきれず、私は瞼を閉じた