「いえ、理由があろうと僕のせいには変わりないですから。
それに、これだけ愛してくれる両親がいるって分かって安心しました。」

「違うんだ、そんな立派な親じゃないんだよ。
俺らは千鶴に何もしてやれなかった。
でも、
君のおかげで、今朝、
本当に久しぶりに家族が帰ってきたんだ。
娘の声、気持ちをしっかり聞くことが出来た。
千鶴の音を取り戻してくれてありがとう。」

「ありがとうね。本当に、、」

と、右頬には父の手、
左頬には母の手が乗せられる。

まるで神様にお祈りでも捧げているかのように。

「いえ、そんな、僕は何も。
変わったのは彼女自身ですよ。
起きたらしっかり労ってあげてください。」

涙いっぱいの2人は力強く頷いた。

何度も何度も感謝をこぼしながら。