鶴の音返し

「千鶴!」

汗を流しながら、
おそらく仕事を抜け出してきたのだろう、
スーツ姿の男性が慌ただしくベッドで眠る少女へ駆け寄る。

「千鶴、、、」

手を握って力を分けてから立ち上がり、
顔つきで分かったのだろう、
渡辺(先輩)を力いっぱいの拳で殴り飛ばした。

「山梨さん、待ってください!
彼のせいじゃないんです!」

思いっきり吹き飛んだ渡辺に
更に追い打ちをかけようとするが先生に静止された。

「お前がこの子をこんな目に!」

それでも興奮は収まらない。

「今朝、言ってたんだ、
頑張って気持ち伝えるって、、
それなのになんで、、、」

今度は人目を気にせず涙を流した。

困惑からか情緒が不安定になっている。