「食べないの?」

私の言葉でハッとしたようにフォークを持つお父さん。

「いただきます。」

「さっきも言ったじゃん。」

「あ、そうか、忘れてた。」

と、食卓に小さな小さな笑顔が咲いた。

「美味いな。
やっぱあかりの作るご飯が一番だ。」

「「えっ?」」

お母さんとハモって聞き返すと、
恥ずかしそうに耳まで赤く染めたお父さんが言い直した。

「あ、いや、母さんのだ。」

お母さんと目を合わせ、
今度は少し大きな花が咲いた。