鶴の音返し

「大丈夫か?」

この声、、

「風邪引くぞ」

先輩、、、

((大丈夫です。))

濡れた手で震えながら文字を打つ。

本当は大丈夫じゃない、、

「なあ、声戻ったんじゃねーの?」

ビクッと身体が反応した。

驚きではない、恐怖からだ。

この人も私の声を聞いたら、
きっとみんなと同じで離れていってしまう。

「昼休み、教室の前通ったら偶然聞こえてさ。」

昼休み、、、

「お前さ、いじめられてんの?」

また、ビクッと身体が呼応した。

今度はバレたくなかったことを1番知られたくない人に知られたから。

何も答えず、沈黙で肯定した。