「ふっ」

なんとなく分かってたのかもな、
こいつだって。

「なんですか?
下手だって言いたいんですか?」

「いや、なんでもねーよ」

それから余韻に浸り、ボーッと空を見上げた。

30分くらいだろうか、

千鶴から「そろそろ帰るよ」と言われ、

後ろ足を引かれながらもついて行った。

帰路、千鶴がニコニコしながら横顔を見つめてくる。

「なに?」

「来てみたら意外と楽しかったって顔ですね。」

「うざっ」

笑みがバレないように
夕日を見るフリをして顔を背けた。