鶴の音返し

「東京からじゃ遠かったろ!」

「元気そうで良かったわ。」

千鶴が音を捨ててから、
おじいちゃんもおばあちゃんも孫の声を聞けていない。

「うん、2人も元気そうで良かった!
わざわざ迎えに来てくれてありがとう。」

屈託のない笑顔で、
昔のように透き通る綺麗な声。

つい涙腺が緩んでしまう。

「おお、、、気にすんな。」

瞳の潤いに気づかれたくない小さなプライドから、
おじいちゃんは千鶴から視線を外した。

「あの子は?」

「ああ!先輩!」

何もかも理解できていない彼は、
とりあえず千鶴の手招きに従って車の側へ。