鶴の音返し

「ね、聞いていい?」

「なに?」

「どうやって踏み出せたの?
相当な勇気必要だったでしょ?
その、、、
いじめてた私に謝るの。」

「、、、本当は罪悪感を感じて、とか、
申し訳なくて、って言うべきなんだろうけど、

ちづるの言う通り踏み出せなかった。

先輩にあれだけ言われてもまだ踏み出せなかった。

何かが胸の奥でモヤモヤはしてたんだけど、
それを謝罪という形で行動にする気はなかったんだ。

でも、駅前で歌が聞こえてきてね。」

(悩んでねーでやってみな
ビビってないでやってみな
今やらねーと100年先まで後悔するぜ)
って。

あ、それ先輩のオリジナル曲!

「それ聞いて、
なんかよく分からないんだけどあと一歩が踏み出せたの。」

「そっか」

そうだった。

いつでもそう。

私を前に進ませてくれるのは、必ず先輩の音だ。