—放課後—

に『まい、一緒に帰れなくてごめんね。』

ま「気にしないで!塾頑張ってね。」

に『本当にごめんね。また来週!』

ま「バイバーイ!」

にのちゃんは、私の怪我を気にしてくれたけど
迷惑掛けられない。
パパもママも今日は忙しいみたいで
迎えも頼めないし...
ゆっくり帰ろう!!


『ねぇー、あのメガネの人何してるんだろう?』
『なんかダサい系だよね。』
『彼女待ってたりして!?』
『彼女?どんな子だろう?同じダサい系?』
『ありえるねー!』

誰の事言ってるんだろう?
世の中にはいろんな人がいるんだし、
別にいいじゃ...
ん??

藤堂先輩??

藤『やっときた...』

ま「先輩?!」

藤『一人で帰るの大変かと思って...
 荷物くらいは持てるからさ...』

ま「え?」

藤『ほら、行くぞ!』

ま「は、はい!」

さっきの人たちが噂をしていたのは
先輩のことだったんだ...
私を待っててくれたってこと?
嬉しい!!

藤『足首どう?』

ま「少しよくなりました。」

藤『よかった。でも無理はしないようにね。』

ま「ありがとうございます。」

藤『電車...いつも一緒だよね?』

ま「え?知ってたんですか?」

藤『見かけたことあるから...
 家はどの辺?』

ま「◯◯です!」

藤『俺もだよ。電車の中でしか会わないからてっ
 きり最寄駅は違うと思ってたよ。』

ま「すごい偶然ですね!」

藤『じゃあ、近くまで送るよ。』

ま「ありがとうございます。」

すごい偶然!
先輩と同じ地域に住んでたなんて。
知らなかった!

会話はあんまりなかったけど、
一緒に帰れて、隣にいれて幸せだった。

ま「先輩のお家はどの辺なんですか?」

藤『瑠桜(るき)...』

ま「??」

瑠『先輩じゃなくて、瑠桜でいいよ。』

ま「い、いや...でも...」

瑠『俺もまいって呼ぶから...』

ま「じゃ、じゃあ...瑠桜く..んで...!」

瑠『いいよ。俺の家は、あのマンション。』

ま「えっ!?」

瑠『何で驚くの?』

ま「私は、向かい側の棟だから...」

瑠『めちゃくちゃ近いじゃん!』

ま「すごいですね!」

瑠『ねぇ...連絡先教えて。』

ま「は、はい!」

すごい偶然だった!
こんなに近くに住んでたなんて...

でも、このマンションに住んでるってことは
お坊っちゃまなのかな??