「……何だよ。これ……」

捜査本部に戻ってきたフィオナたちは、目の前の光景を見て呆然としていた。

「……誰が……?」

捜査本部は、火に包まれている。

「……特殊捜査チームの存在は、警察でも極わずかしか知らない……エヴァンくんが連れ去られてから放火されたと考えると……」

サルビアは、顎に手を乗せるとそう呟いた。それを聞いたフィオナは、あることに気付く。

(そうか……エヴァンを拷問して、無理やり聞き出したんだ……)

「……これ、なんだろう……」

サルビアは、近くに生えている木に近づくと木に結ばれていた紙を解いた。

紙を開けると、そこにはペンで暗号が書かれていた。フィオナは、その暗号をすぐに解読すると走り出す。

紙に書かれていた内容は――。

『ここに来い。俺がお前の家族を殺し、お前の仲間を殺した』