特殊捜査チームのリーダーであるシオン・アカツキが亡くなってから数日後が経った。

「……」

いつも賑やかな捜査本部は、今日も静寂に包まれている。

ミステリー小説家兼特殊捜査員のフィオナ・カモミールは、椅子に座ってぼんやりと窓の外を眺めていた。

「……皆、捜査の依頼が入ったよ……」

ドアが開いて、リーダーとなったサルビア・ホープが部屋に入ってくる。

「……世界的に有名な財閥に犯行予告状が届いたんだって。その犯行を阻止してほしい……そんな内容だよ」

「……」

皆はサルビアから顔を背けたり、俯いたりと行きたくなさそうな態度を取った。それを見たサルビアは、ふぅ、と息を吐く。

「……黒いバラの花びら」

サルビアの言葉に、フィオナはサルビアを見た。

「犯行予告状と一緒に入っていたらしい。シオンを発砲したと思われたビルにも、黒いバラの花びらがあったよね?」

(……黒いバラの花びら、か……もしかして、シオンさんが殺されたことと関係がある……?)

「私、その依頼……受けます!」

フィオナは椅子から立ち上がると、サルビアを見つめる。サルビアは、無言で頷いた。



「……とりあえず、大丈夫そうだな……」