あの夏、わたしはキミに恋をした。



「今日から木下が野球部のマネージャーをしてくれることになった」

「え、ほんとですか!?」

「木下さん本当にいいの??」


「桃菜いいの?」


一斉に選手たちが騒ぎはじめた。

多分中にはこれで雑用から解放されるという嬉しさがある人もいたと思う。

でもみんなが騒ぐ中、一番端に立っている大輝の声だけが、わたしにははっきりと聞こえた。

心配そうな、でも嬉しそうな、そんな複雑な感情が混じったような声だった。

わたしは大輝のほうをみて一度小さく頷いた。


そしてもう一度前をしっかり向く。


「マネージャーなんて初めてだし、野球の知識だって完璧じゃないんですけど・・・。でも全力でみなさんのサポートをしようと思います。今日からよろしくお願いします」

拍手をしてもらえたとき、受け入れてくれたという嬉しさが胸いっぱいに広がった。


「だからといって木下だけにやらせるんじゃなくてみんな協力するように。わかったな」

「はい!」

「じゃあ練習再開」

その言葉にまたみんなが散らばっていく。


…というもののなにをしたらいいのかわからない。

誰も教わる人いないし、どうしよう。