「大輝おかえり」

「水上待ってたぞ」

「先生…みんな、ありがとうございます」

まだ完全じゃない。

リハビリだって通わないといけない。

でも高2の6月、大輝は部活に復帰した。

事故にあってからちょうど半年。

先生も、先輩も同級生も、新しく入った一年生もみんな大輝のことを温かく迎えてくれた。


「今年の試合はもうでれないことはわかってます。でも先輩たちが最高の夏になるように、俺は全力で応援します。迷惑もたくさんかけるかもしれませんが、よろしくお願いします」

深く頭を下げた大輝にキャプテンが「ばーか」と軽く頭をたたいた。

「戻ってくるのが遅いんだよ。でも、ありがとう。戻ってきてくれて。俺たち最後の夏にお前がいてくれて嬉しいよ」

その言葉に後ろにいる先輩たちがうんうんと頷いた。

大輝の目が少しだけうるんでいるのがみえた。