「離れろ」
「離れない!」
「…頼むから、離れてくれよ」
あの日と同じように、わたしは大輝を抱きしめた。
後ろから強くぎゅっと。
「わたしはね、どんなにひどいこといわれてもいいよ。それで大輝の気持ちが落ち着くならそれでいい。大輝が嫌だと思ったっていい。本当のわたしはこっちだから。本当のわたしはとても自分勝手でわがままだから」
「桃菜…?」
「これから話すのはわたしの独り言だと思って聞いて?」
そういって大輝の体から離れて椅子に座りなおす。
大輝はなにもいわなかった。
わたしは過去の扉を開いた。
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