あの夏、わたしはキミに恋をした。



「付き合ってからだって会いたいなんて一度も言わなかったしわがままとか全然言わなかったしさ。俺に合わせてくれてるのわかってたけど。でも今の桃菜は逆。なんていうか自分勝手でわがまま」

言い返せなかった。

そんなわたしのほうをちらっとみるとそのまま言葉をつづけた。


「毎日毎日押しかけてさ。くるなっていってもくるし、言いたいことバンバンいってくるし、しまいには野球だってできるかもしれない?ふざけんなよ!」


びくっと体が跳ねる。

大輝が枕元を大きく叩いた。

今まで聞いたことないような大きな声で。

怖かった。

このまま大輝が壊れてしまう気がして。

あの負けた日、大輝が自分の足を何度もたたいていた光景と重なって。