あの夏、わたしはキミに恋をした。



「入学式後なのにこんな片付けさせられてさ。男子だってまいってたし、女子なんてこんな重たいもの持たされてもっとつらいだろうなって。鍛えてる俺だって相当疲れたくらいだし。でもさ、そんとき桃菜のことが目にはいってさ。積極的に動いて椅子たたんだりシート丸めたりしてて。すごくいいなって思った。あの子と話してみたいって思った。だから声をかけた」

「そんな風に思ってくれてたんだ」

「桃菜は俺のことヒーローっていったけど、俺にとったら桃菜もヒーローだったよ」

「はは、それはどうもありがとう」

お互い同じように思っていたと知ってなんだか照れる。



「俺結構いっぱいいっぱいだったんだから、廊下ですれ違ったときも連絡先交換した日も」

「え、そうなの?てっきりわたしは数いる女の子の中のひとりなんだと思ってた。きっとあんな風に名前きいて話しかけるなーなんていってみんなを虜にしてるんだろうなって」

「うわー、それは誤解!あれ桃菜だけだから!ほかのところは手伝って終わり。もちろん入学式の日だったし名前聞かれたりもしたけど、自分から名乗ったのは桃菜だけだよ」

「それは嬉しい」

水上くんからしたらわたしなんてただの友達、それ以下だと思ってた。

でもあの日から水上くんはわたしのことを見てくれてたんだ。