あの夏、わたしはキミに恋をした。


「俺帰るわ」

「っ、まって大輝」

みんながわいわいしている中大輝が立ち上がる。

このままじゃあのホテルのラウンジのときと同じ。

そして今回を逃したらきっともう会えないと思った。


今日だって大輝を連れ出すのは大変だった。

わたしからは連絡したってだめだったし、遥にも一度裏切られていてもう誘いには乗ってくれなかった。

それで協力をお願いしたのはおばさんだった。


「こんなこと頼んで本当にすみません」

「いいのよ、わたしにできることならなんでもいって」


そういって快く引き受けてくれたおばさんは、大輝に家に帰ってくるようにいってくれた。

そしてそこで待ち受けていた遥と巧くんに捕まった大輝はそのまま車でこの場所へと連れてこられたのだ。

正直強引なことをしてしまったと反省はしている。

きっと大輝はもう二度とわたしたちに会いたいとは思わないだろう。

でもそれでも、わたしは大輝に会いたかった。