「大輝―いけー!!」
わたしには聞こえた。冴島先輩の声だ。
誰よりも大きな声で大輝を応援していた。
わたしはただ祈るようにお守りを握りしめた。
このお守りは茉奈ちゃんと朱里ちゃんと作り直した新しいもの。
遥と巧くんと一緒に作ったお守りはかばんにくくりつけている。
相手のピッチャーが投げたボールはキャッチャーのクラブへと吸い込まれていく。
「ストライク!」
審判の声が響く。
ドキドキ。胸が騒ぐ。
「木下さん。応援してあげて。木下さんに応援されたら大輝は打てる」
いつの間にか隣にきていた上野くんにそういわれる。
「…大輝…大輝!打ってー!!!」
自分が叫んだ瞬間、世界の音が一瞬消えたように感じた。
そして次に聞こえた音は「カッキーン」という気持ちのいい音だった。



