あの夏、わたしはキミに恋をした。


「カッキーン」

そんな青い空に向かってボールが飛んでいく。

思った通り、そんな簡単に試合は運ばなかった。

8回裏、5対3で負けていた。

今まで以上に応援席からの声援が聞こえる。

吹奏楽部の音色とともに「がんばれー!」という声がたくさん。

みんなには疲れの色がみえた。


「監督、俺をださせてください」

そんな中声をだしたのは大輝だった。

「必ず打つし、守ってみせます。ここで俺たちの夢がつぶれるなんて嫌です」

大輝は2年前の自分を超えようとしていたんだと思う。

ここで打って前に進みたいと。

この回で点をとらないと厳しい。だれもがそう思っていた。


「…わかった」

監督はしぶしぶといった感じだったが、選手交代のアナウンスとともに大輝が打席にたった。