あの夏、わたしはキミに恋をした。


「桃菜、大丈夫?」

「…ごめんね。大丈夫。ちょっと動揺しただけ」

「わたしもごめん。わたしがでれるのなんて聞かなければよかった」

遥は手を合わせて謝ってくれたけど、遥のせいじゃない。

わたしが勝手に思っていた。

大輝が試合にでてのびのびとプレーをする姿がみられると。

なのでもしかしたらそれもできないかもと、大輝が諦めていると知って動揺してしまっただけだ。


「まだなにもわかんないのにね。大輝がでれる保障だってなにもなかったのに。わたしが勝手に思い込んでただけ」

「そんなの当たり前だよ。だってあの野球馬鹿がいったんでしょ。桃菜を甲子園に連れていくって。それまでそばにいてほしいって。そんなの信じるにきまってる」

遥はそういって怒ってくれる。

「…いいんじゃないかな、桃菜は信じてあげたら。水上くんは試合にでれるって。…なんとなくだけど、水上くんは桃菜にそう思っていてほしくて黙ってたんじゃないかな」


愛唯はそういってわたしを安心させてくれる。

わたしはいつも助けられてばっかりだった。