「どの高校にあたるとしても、先輩たちがすることはひとつ、いつも通りのプレーをすることです!」
不安な空気感を壊したのは茉奈ちゃんだった。
茉奈ちゃんの真剣な顔。
茉奈ちゃんは野球が大好きで、本当にこの数か月間マネの仕事を全力でやっていた。
それは全部、野球部みんなのためだ。
みんなが練習を円滑にできるように、みんなが野球だけに集中して取り組めるように。
「…桜井さんのいう通りだ。俺たちはそのためにここまで練習してきた」
上野くんの言葉にまわりもみんなうんうんと頷きあう。
「桜井さんありがとう」
「いえ…生意気いってすみません」
「そんなことないよ。本当にありがとな」
上野くんに感謝されて茉奈ちゃんは嬉しそうに笑った。
「よし!1回戦まで時間がないから、明日からは気持ち切り替えていくぞ!」
「はい!!」
みんなの気持ちがひとつになった瞬間だった。



