あの夏、わたしはキミに恋をした。


「神様、俺に運をください!!」

そんなことを思いながら歩いていると上野くんが突然上を向き空に向かって手を合わせるから驚いた。

「ちょっと、上野くん濡れちゃうよ」

手が宙ぶらりんになっているせいで傘がうまくさせていなく上野くんの肩が濡れている。

それに恥ずかしい。

上野くんは小さい声でいったつもりかもしれないけど、会場近くのこの場所は歩いている人との距離もだいぶ近い。

さっきからこっちを見ながらひそひそと話している人たちがいる。


「急に神頼みしたくなっちゃって、ごめんごめん」

「もう。いいけどちゃんと傘さして。風邪なんてひいてられないでしょ?」

「はい、すみません」


いつもしっかりしている上野くんはたまに突拍子もなくおかしなことをしてくる。

まあそんなちょっと抜けている上野くんだからこそ1.2年生たちもあまり怖がらずに接しられているんだと思う。

でもなんだか上野くんの姿をみたら緊張が少しほぐれた。

もしかしたら上野くんはそれを見越して急におかしなことをしたのだろうか。