あの夏、わたしはキミに恋をした。



「やばい緊張して手が震える」

「木下さんが緊張してたら俺まで緊張しちゃうよ」

「そ、そうだよね…ごめん」

抽選会の日がやってきた。

雨は少し降っていて、上野くんと最寄りのバス停から傘をさして歩いているところだ。

まわりには高校生がたくさんいる。

同じ方向に向かっているので、みんな予選会に参加する人たちなんだろう。

こんなにいるんだ…というのがわたしの率直な感想だった。

もちろん去年もトーナメント表はみているはずなのに。

いざ目の前にするとこんなにもたくさんの高校が集まって、その中で優勝を決めるというのはすごいことなんだと思う。

しかも優勝できてもそこからが甲子園。

日本のトップになるには果てしない道のりなんだと痛感させられた。


わたしと同じ高校生なのに、全然みている景色が違うように感じて。

改めて部員みんなのことを尊敬した。