あの夏、わたしはキミに恋をした。


「遥がいなかったらとっくに大輝と別れてた気がするよ」

大輝を信じれなくなって、自分を信じられなくなって、喧嘩が増えてそのまま別れるなんて全然ありえた気がする。

それでもそうならなかったのは、遥がそのたびにわたしを励ましてくれたからだ。


「大丈夫大丈夫。わたしと巧もいまだにしょっちゅう喧嘩だらけだけど、それでも嫌いにはなれないから。桃菜もそうでしょ?」

「うん。大輝のこと嫌いと思ったことは一度もない」


これだけは胸を張っていえる言葉だった。

「なら大丈夫」

遥と久々に過ごす昼休みはとても有意義な時間になった。

卵焼きを盗み食べる遥が何も変わってなくておもしろい。


「これでちゃらにしてあげる」


なんて調子のいいことをいう遥だけど。

でもね、足りない。

遥には違う形でたくさん恩返しがしたいと思った。