あの夏、わたしはキミに恋をした。


遥の言葉に少し前に大輝にも同じようなこといわれたなと思い出した。

────「これからなにがあっても桃菜は桃菜らしくいてほしい」
────「桃菜は桃菜のままでいてくれたら俺はうれしいから」

あのときは中学のことを思っていってくれたのかと思ったけど、大輝はこうなることも予測していたということだろうか。

「それに水上くんはもう迷ってないでしょ。もう甲子園しか夢みてないでしょ?」

「…そうだね」

「水上くんがこれからどう転んでもそれは桃菜のせいじゃない。だから桃菜もどんと構えて水上くんの彼女としていればいいよ」

わたしは不安ばっかりだった。

大輝が無理しているようにみえるのも、足をひきずっているようにみえたのも、体調が悪くて休んだのも、もしかしたらこのまま大輝は予選にでれないんじゃないかとか。

そうしたら大輝の「甲子園の夢」がなくなるんじゃないかとか。


先のことばかりを考えて今の大輝を全然みれていなかった。

大輝はいつだって必死で努力して今も頑張っているのに。


自分が情けなかった。