あの夏、わたしはキミに恋をした。



ピンポーン

インターホンを押すとしばらくして「はい?」という声がした。

「突然すみません。同じ部活の上野です。木下さんもいます。大輝くんのお見舞いにきました」

上野くんは丁寧にそうあいさつをする。やっぱり礼儀正しい。


「…きてくれてありがとね。ただまだ熱もあって2人にうつしちゃうと悪いから…ごめんなさいね」

てっきり大輝に会えると思ってきたわたしたちだったけれど、おばさんにそういわれたら仕方ない。

「こちらこそ突然きてすみません。大輝にお大事にって伝えてください」

「伝えておくわ」


そこでインターホンも切れ、わたしたちはもと来た道をまた歩きだす。

「心配だな」

「うん…」

今朝大輝にメールで聞いたときは大丈夫だよっていってたけど、あれからまた熱があがったのかそれとも無理しているのか。

大輝の「大丈夫」は「大丈夫」じゃないってわかっていたのに。