あの夏、わたしはキミに恋をした。


「あ、次水上くん走るよ」

思いにふけていたけど愛唯の言葉に一気に現実へと戻ってきた。

「いちについて、よーいどん!」

先生の言葉に走り出す。


「やっぱり足怪我してたとは思えないね」

愛唯は大輝の走りをみてそういっていたけれど。

きっと大輝は本気で走っていなかった。

怪我をした右足をかばうように走っているようにみえた。


でもそのあとの部活ではいつも通りにみえたのでやっぱりわたしの気のせいだと思った。

さっき愛唯に水上くんがいるのにマネの仕事ちゃんとできてすごいねなんて言われたけどそんなことない。


わたしだってずっと大輝のことを目で追いかけている。

なにをしてるときだっていつも大輝のことを考えて大輝のことを心配して、でも大輝のことを応援している。

きっとそれに上野くんもほかの部員も先生も気づいているけど、それでもわたしのことを受け入れてくれている。

わたしは周りにとても恵まれていた。