あの夏、わたしはキミに恋をした。


「じゃーん」

そしてついにお弁当お披露目。

「すげぇ、これ桃菜が作ったんだよな」

「まあお母さんにもだいぶ手伝ってもらっちゃったけど…でも頑張ったよ」

「まじでありがとな」

そういって大輝はわたしの頭をなでてくれた。

大きくてやさしい大輝の手は、いつだって安心する。


「いただきます」

手を合わせたあとぱくりと卵焼きを口にした。

「うまっ!桃菜、これめっちゃおいしいよ!」

「大げさだなぁ、でもありがとう」


あんまりほめられると恥ずかしくなっちゃうからやめてほしい。

でも大輝はそのあとも口に運ぶたびに「うまい」と繰り返していて、嘘じゃないのが伝わってくるからうれしい。


「ごちそうさまでした」

また丁寧に手を合わせた大輝のお弁当箱はとてもきれいに食べられていた。