あの夏、わたしはキミに恋をした。


「桃菜、一緒に食べようぜ」

「うん」

今日は始業式だけだったので午前中で学校が終わりだった。

ただこのあと部活があるのでわたしたちは一旦お弁当を食べて午後から練習だ。

「卵焼きもらい」

「あ、もう。みんな卵焼きもらっていくんだから」

お母さんお手製の卵焼きは遥だけでなく今では大輝も巧くんも大好物だった。

「お、今日は甘めだ。やっぱうまいわ」

ほぼ毎日のようにいれてくれる卵焼きは甘めの日もあればしょっぱい日もあれば、具が入ってる時もあればという感じ。

まあ大輝とは毎日お昼を一緒にというよりはこういう日や、週に何日かだけ2人でという感じなのでたまに食べる卵焼きを遥以上に楽しみにしていた。



いつも早起きしてお弁当を作ってくれるお母さんにもとても感謝している。

「お母さんいつもありがとね。卵焼きも大好評だよ」

「それはよかった。作ってる甲斐があるわ」

なんてお母さんはルンルン気分で嫌な顔なんてひとつもしないからすごい。

同じお弁当を持って行ってるお父さんは「ちょっと飽きたな」なんてこの前口にしていて「ごめんね」と心の中で謝ったけれど。