あの夏、わたしはキミに恋をした。


「そういえばよかったね、水上くん。無事復帰できて」

「うん、本当に頑張ってたからね。やっぱり神様はいるんだなって思った」

「はは、確かに。桃菜ずっと神頼みしてたもんね」

「あ、ばれてた?」

「もちろん。練習中にふとしたときに手合わせて空みてるなって」

サッカー部とは隣で練習しているけど、そんなところまでみられていたなんて恥ずかしい。


「桃菜のおかげだね」

でもそういわれてうれしかった。

わたしなんてただそばにいたり話聞いてあげることしかできなかったけど、でもわたしも少しは役にたてたかな。

「じゃあ、今日も頑張ろう!」

グラウンドまで一緒に歩きそれぞれの部のほうへと向かう。

すでにちらほらと集まっていて、その中に大輝もいた。


大輝はブランクなんて感じさせないくらい上手だった。

大輝の努力なんて計り知れなくて、陰でずっと頑張っていたと思うと尊敬しかない。

わたしにはみえる。

大輝が、キャプテンが、ほかのみんなが、来年甲子園という舞台にたっている姿が。

必ず夢をかなえてくれる、今目の前で練習している姿をみてそう思う。


ダブルデートをしたあの日、帰り道に大輝が思いを伝えてくれたあの日、わたしたちの絆はさらに深まった。

お互い遠慮せずにいろいろ話もするようになったし、部活帰りにちょっと寄り道してご飯を一緒に食べたりすることも増えた。


大輝の本音は隠されたままだったのに、わたしは気づけなかった────。