あの夏、わたしはキミに恋をした。


「桃菜、今まで待っててくれてありがとう。信じてくれてありがとう。桃菜がいたから俺はこうしてまた野球ができた。諦めなくてよかったと思えた。もう監督には話してあるんだ。だから明日からは練習にも参加するつもり。俺は負けない。絶対来年選手に選ばれて甲子園にいってみせる」

その言葉にうんうんと強く頷く。

大輝のやる気がみなぎっているのがとてもうれしい。
それに明日から大輝がまた野球をする姿をみれることがとてもうれしい。

「はい、いちゃいちゃはここまで。おなかすいたろ?お店にご飯用意してあるから、いこう」

冴島先輩の言葉にちょうどよくわたしのお腹が「ぐー」と鳴った。

恥ずかしくて死にそうだったのはいうまででもない。


「あ、すいません。今日親がご飯作ってくれてて、ここで俺は失礼します」

でもそんなわたしに気づきもせずに、大輝はわたしの頭をポンポンとしたあと「じゃあまた」とひとりで歩いていってしまった。



「本当に大丈夫なのかなあいつ。俺たちには弱音はけってあれほどいったのに」

大輝の足取りが少しつらそうにみえたからだろう。