あの夏、わたしはキミに恋をした。


「もう…走れるの?もう、大丈夫なの?」

「おう、もうあんなに走れるようになったんだ」

「大輝、おめでとう」

そういって大輝に抱きついた。

冴島先輩と上野くんがみてるのなんて忘れて。


「ごめんな。最近全然桃菜のそばにいてあげられなくて。さみしい思いさせたよな。そのかわりに上野に桃菜のこと気かけてくれって頼んでたんだけど、思ったより上野と仲良さそうな桃菜みて嫉妬してたわ」

いわれてみれば最近上野くんがすごくわたしに声をかけてくれていたなと思う。

そういう理由があったなんて思ってなかったけど。


「お前よく言うわ。まじで人づかい荒いのな」

「悪い悪い、感謝してます、ありがとう」

「冴島キャプテンもありがとうございます。俺のわがままきいてくれて」

「はじめ連絡きたときはびっくりしたよ。コソ練したいなんてさ。でも俺も楽しかったよ、大輝と一緒にまた野球できたしさ」


よく頑張ったな、そう大輝に声をかける冴島先輩はとてもうれしそうな顔をしていた。