目の前にはユニフォームを着た大輝がバットを構えていた。
そしてピッチャーの位置には同じくユニフォームをきた冴島先輩がたっていた。
「上野くん、これってどういう…」
「みてて」
そういわれてくぎ付けになって大輝の姿をみた。
冴島先輩が振りかぶってボールを投げる。
「カキーン」
いい音が響いた。
大輝が打ったのだ。
大輝が1塁、2塁へと走っている。
大輝が、走っている。
始業式の日にみせてくれた軽い走りなんかじゃなくて、大輝が全速力で走っている。
これは夢なんじゃないかと思って頬をつねると痛かった。



