あの夏、わたしはキミに恋をした。


「なに?あの頃のことまだ気にしてるの?あんなの過去じゃん。うちらまた仲良く…」

「やめて!」

気づいたら優樹菜の言葉を遮って叫んでいた。

仲良くしてなんてそんなこといわないで。
できるわけない。

わたしの夢をつぶしておいてそんなこといわないで。
わたしの孤独をなかったことにしないで。

「なに必死になってんの。ああ、やっぱり桃菜って昔っから変わらないよね」

「…」

「正義ぶってさ、自分が正しいと思ってんの、ほんと苦手だったわ」

怖い、怖い。

逃げたいのに逃げられない。

わたしも大輝のように強くなれたはずだったのに、わたしはまだまだ弱い。


「ちょっと優樹菜―?どうしたのー?」

そして聞こえてきた声と店からでてきた人物にわたしの体はびくんと跳ねる。

「紗耶香…千絵…楓ちゃんも…」

「うわ、桃菜じゃん!久しぶり!元気だった?」

あれから、わたし以外はみんな仲良しだった。

ううん、本当は楓ちゃんの位置にわたしはいたはずだった。


あの事件がなければ、こうして高校生になってからもわたしたちは仲良くいれたんだろうか。

一緒に洋服をみてプリクラを撮ってカラオケをして夜までお店で喋って。

少なくとも中学に入ってすぐのころはそんなことも夢みてた。