あの夏、わたしはキミに恋をした。


「そうか、まあキャプテンって呼ばれるのもだいぶ慣れてきたよ」

「はじめ慣れないよね、今までだって歴代キャプテンがいたわけだし」

「ほんとほんと。まだまだかなわないよ」

上野くんはそういうとポリポリと頭をかいた。


「それより、大輝は最近どう?」

「うん。話を聞く限りだとさらに歩けるようになったみたいだよ。わたしも一緒に行ったり帰ったりすることあるんだけど、歩くスピードも一緒になってきたような気がしてる!」

「やっぱすげえなあいつは」

「うん、本当にすごい」

大輝と一緒に歩くたびに日々の努力の成果を感じていた。

それに怪我をしてリハビリをスタートしたときの大輝をわたしは知っているからそのころに比べたらもう治ったんじゃないかなって勘違いしてしまうほど。


たまに病院にいくと大輝のお母さんにもあったけど、大輝のお母さんも嬉しそうだった。


「桃菜ちゃんのおかげね、あのとき大輝の背中を押してくれて本当にありがとう」

そういって会うたびにお礼をいってくれる。

「わたしは大輝の意見を尊重しようと思っていたけど、今のあの子の姿をみて思うわ。あの子はやっぱり野球しかない。あの子から野球がなくならなくてよかったって」

「わたしもそう思います。わたしも大輝が野球をやっている姿がもう一度みたいです」

みんな目指している先、願いは同じだった。