「カキーン」
そう思っていたはずなのに、さっきまで調子がよかったはずなのに、急にみんなのペースが落ちたようにみえた。
ヒットを打たれ続け、気づいたら満塁になっていた。
「大丈夫、大丈夫」
隣で大輝がつぶやく。
わたしは大輝の手をぎゅっと握った。
「カキーン」
「あ…」
誰の口からでたのか、自分からでたのかわからなかった。
いま目の前で起こっていることがスローモーションのように感じた。
相手の選手がひとり、またひとり戻ってくる。
「セーフ!!」
審判の言葉に客席が沸いた。
こっちじゃない、相手の学校だった。
負けた。逆転だった。



