あの夏、わたしはキミに恋をした。


「カキーン」

そう思っていたはずなのに、さっきまで調子がよかったはずなのに、急にみんなのペースが落ちたようにみえた。

ヒットを打たれ続け、気づいたら満塁になっていた。

「大丈夫、大丈夫」

隣で大輝がつぶやく。
わたしは大輝の手をぎゅっと握った。


「カキーン」

「あ…」

誰の口からでたのか、自分からでたのかわからなかった。

いま目の前で起こっていることがスローモーションのように感じた。

相手の選手がひとり、またひとり戻ってくる。


「セーフ!!」

審判の言葉に客席が沸いた。
こっちじゃない、相手の学校だった。

負けた。逆転だった。