「いいんじゃないかな」
「え?」
「木下さんにはあるでしょ、今やるべき大事なことがさ。それはそれですごいことじゃん」
まるでわたしの心を読み取ったように巧くんはそう励ましてくれる。
「そうだよ、桃菜は今は水上くんを支えることが大事だよ。あと野球部もね」
手をとめて顔をあげると2人と目があった。
遥も巧くんもすごく優しい顔をしていて思わず泣きそうになった。
わたし、今とても幸せだ。
あの頃なにもかもをあきらめそうになったけど、こうして今がある。
今やるべき大事なことがわたしにはある。
「明日もきっと勝てるよ。だってお守りもてるてる坊主もあるんだもん」
遥の言葉に強くうなずいた。
「そうだね。明日もきっと勝てる。その先もずっと」
外をみるとほんの少しだけ雨が弱まったようにみえた。
てるてる坊主たちがほほ笑んでいるようにわたしにはみえた。



