あの夏、わたしはキミに恋をした。


「あのまま桃菜にも一方的に別れ告げてさ、孤独に生きていったと思うよ。それに比べたら天と地の差じゃん」

わたしは過去のことがあるからどんなことがあっても大輝のことをひとりにはしなかったけど。

でも天と地の差というのは納得できた。

「桃菜はさ、ただそばにいて応援してればいいと思うよ。そりゃもちろん気になっちゃうんだろうけど、でも最終的に決めるのは水上くんだよ」

「それはわかってるんだけど…」

「あー!もうじうじしない!桃菜がいくら考えたって解決しないことだってあるよ。それって仕方ないと思う」

「うん…」

「今の桃菜にできることはただひとつ。水上くんがどっちに転んでもそれを尊重してあげること」

「どっちって?」

「やっぱりもう野球はやりたくないっていっても、このまま続けたいっていっても。もしやりたくないってなったらお疲れ様、頑張ったねって、続けたいっていったら一緒に頑張ろうって、ただその一言をいってあげたらいいと思う」

遥の言葉は正論だった。

わたしが不安がってもどうあがいてももうどちらかに転ぶしかないのだ。

だったらわたしはそのときの大輝の決断を聞いて尊重してあげたい。