あの夏、わたしはキミに恋をした。



「わたしよくわかんなくなっちゃった」

こうやって弱音を吐くのは何回目だろう。

目の前にいる遥はよしよしと頭をなでてくれた。

「桃菜は悪くない、誰も悪くないよ」

土曜日の部活終わり、一人でいても色々考えちゃって遥に会えるか聞いたらすぐさま駆けつけてくれた。

SOSをちょっと前から感じ取っていてくれたらしい。

いつもは巧くんも一緒なのに女の子だけのほうが話しやすいこともあるでしょ?とわざわざデートをほっぽり出してきてくれたらしい。

あとで遥にはもちろん巧くんにもなにかあげないとな。



「少なくとも水上くんは諦めてないと思うよ。きっと最後の最後まであきらめない。でももしその思いが叶わなかったとしても、むしろ感謝するんじゃないかな?」

「感謝?」

「うん。だってあのままリハビリしてなかったらさ、あの野球馬鹿ずっと寝たきりだったかもしれないじゃん」

さすがにそれはないとは思うけど、わざとそういって励まさそうとしてくれている遥の気持ちはわかる。