あの夏、わたしはキミに恋をした。


「勝利おめでとうございます」

「ありがとう、とりあえず一安心だ。でもまだこれからだ」

試合終わり軽くミーティングがあり、そのまま解散となった。



「足、大丈夫?」

「大丈夫。これくらいでへこたれてたら野球なんてできないよ」

いつもよりだいぶ歩いたからいいリハビリになったんだろうと思いつつ、試合中もずっとたちっぱなしだったのでちょっと心配だ。

アイシングをしたほうがいいんじゃないかって思ったんだけど、家でやるから大丈夫といわれてしまってそのまま。



このときからわたしは自分はやっぱり無責任なことをいってしまったのではないかと思い始めていた。

リハビリをはじめてからももう半年がたつ。

それなのにいまだに速く走ることができない。

もう1年後にはわたしたちの代にとって最後の夏がはじまっているのに。

それにでれる選手が決まるのはそれよりも前。

そう思ったらもうそんなに残された時間は長くない。

わたしがそんなことを考えるくらいだから、大輝はとっくに考えていると思う。