イスに座ってる蓮が自分の太ももを叩いてる。
「そっちはいかない」
「なんでだよ」
「恥ずかしい」
「和藤だったら座ってただろ」
「和藤先生の話出さないで、それと誰にも言わないでね」
「言わねえよ言うだけでムカつくから」
「はいはい、ありがとう」
「杏衣」
また太ももを叩いてる。
「嫌だって」
「2週間会わないで俺は寂しかった」
2週間私を避けてた訳じゃなかったんだ……
私も少し寂しかったなんて口が裂けても言わない。
好きだから寂しいんじゃない。
いつもちょっかいを出す蓮がいないから普通に時間が流れていくまま過ごすのがおかしいって思っちゃっただけ。
「早く来い」
あー出た出た命令口調。
「分かったよ」
仕方がなく蓮の太ももの上に座った。
「それじゃ落ちる」
蓮の手が私の腰に回って強く抱きしめられた。
このままずっと時間を過ごすのもなんか気まずい。
凌、早く来て………。


