「杏衣ちゃん、おはよ!」
「七瀬ちゃんおはよ」


七瀬ちゃんは朝から笑っている。


私は笑えてるかな。


無理矢理笑ってるからぎこちないと思う。


「ねぇ、聞いて!」
「うん?」


「凌くんが放課後勉強に誘ってくれたの!凌くんからだよ!?いつも七瀬から電話とかメールしたのに初めて誘ってくれた!嬉しい!」



七瀬ちゃんの笑顔で少し元気になれる。


七瀬ちゃんの笑顔は周りを明るくさせる力がある気がする。


「よかったね」
「うん!杏衣ちゃんは和藤先生とはどう……「七瀬ちゃん、静かにね」」


「ごめん〜!ナイショの恋だもんね」


凌が七瀬ちゃんを好きかは分からないけど気になっているとは思う。


凌なりに七瀬ちゃんのことを見ている気がして嬉しい。


私の恋は実らない。


私は諦めなきゃ、離れなきゃ……。


梨沙子先生が好きなら私は邪魔なだけだから。


勇斗さんの幸せを邪魔したくない。