「ふぇ?」


横を見ると、蓮がいた。


まさかの人物で顔がぽかんとなっている。


蓮が図書館?


正直、似合わない。


「変な声」
「………驚かせたのそっちでしょ」



「驚かせてないし、ずっと杏衣の2つテーブル隣で座ってたの気付かなかったのかよ」


ずっと本読んでたから気づく訳ない。


一方で蓮は、わたしがいることにいつからか知らないけど気づいていた訳で。


私が恋愛の本を読んでいるところをガン見された訳で。


それを考えると頭が熱くなる………。



「………蓮、なんでここに?」
「俺は家がここ近いから何もしない時ここに来て寝てる」


「なら家で寝ればいいじゃん………」
「家なー寂しいんだよ」


「えっ……」
「なんでもない、ていうか学校来てなかっただろ教室に行ってもいないって言われたぞ」


「え、教室まで行ったの?」
「あぁ」


私は学校に行ったら穏やかに過ごせるのかな。

蓮が好きな女子は私のクラスにもいるというのに、色々聞かれそうで怖い。


本当のことを言っても女子は信じないだろうし、、


「何余計なことしてんの」
「電話したのに出ないお前が悪い」


「え、電話したの?」
「結構前だけどな」


入院していた時はスマホを開けなかったし、家戻ってからも痛みとの戦いで朱莉と電話したりメールする以外は電話を取ってすらいない。


「連絡先入れてないからしょうがない」
「一言ごめんくらい言えよ、心配した」


「なんで蓮が………」
「………連絡先登録しろ」


「……分かった、それとごめん」


逆らえる雰囲気でもないし、蓮が本当に心配しているようでずっと腕を見ている。


長袖でごまかせていると思うけど晴れているから少しプクッとしている。


「許してやるから今日ちょっと俺に付き合って」
「なにするの?」


「お前に拒否権ないから」