苦しく辛い恋だとしても。





「……えっ……?」



ギュッと、誠也に抱きしめられた



「椎名の、少し天然で抜けてるとこが好き」




「椎名の、隠れて努力してるとこが好き」




「俺もっ……ずっと好きなんだよっ」



「……っぅっぅふぅ……せ……い…やぁ…」


名前を呼べば、もっと強く抱きしめられる



ずっと聞きたかった言葉



だけど、聞けないと思っていた言葉



“好き”



2文字、たった2文字なのに



この言葉は、魔法のように



人の心を動かす事が出来る



「私たちっ……両……想いっ…?」



「あぁ。そうだよ」



ふいに、唇に触れた



優しい感触


これって……キスだよね……?!



「好きだ、椎名。付き合って欲しい」



「……っ!もちろんだよっ……」



それからはあまり覚えてないけど、とにかく甘くて、幸せな時間だった



誠也が1回目の告白を断った理由は、まだ教えてくれなかったけど、私はいつか教えてくれるって信じてる



急がなくてもいい



ゆっくりゆっくり



1歩ずつ



2人で



……ー進んでいけばいいんだ