『誠也……お前は、彩ちゃんといて楽しいか？』



当たり前だ、いつも輝いてる



｢あぁ。楽しいよ｣



『彩ちゃんが他の男と話してるとイラつくか？』



王見だ……確かに苛立ってた、俺



｢あぁ。なんかイライラする｣



『……自分が…彩ちゃんの1番がいいって思う？』



椎名の傷をみて、それを王見が手当したと聞いて、何故か悔しかった



｢あぁ。俺が1番傍にいて、守りたいって思う｣



すると、電話越しにため息が聞こえた



『誠也はアホだな……。それを全部、彩ちゃんに伝えればいいのに』




｢どうゆう事だよ……？｣



『お前が今彩ちゃんに対して持ってるそれ、恋だよ』



｢は……？｣



『自分で気付かなきゃ意味ないって思ってたけど。緊急事態だな。……お前はちゃんと、彩ちゃんの事が好きなんだよ。どうして気付かないかな』



｢俺が……椎名を好き？｣



『あぁそうだ。お前はとっくの昔に恋してんだよ』



｢これは……椎名に言うべきなのか｣



『当たり前だろ』



｢だけど椎名は、友達として好きになるようにするって言ってた……｣



『…ったく、お前も少しは頭働かせろ。好きっていう気持ちなんて、そう簡単には消えない。安心しろ、まだ間に合う』



｢……っもし、付き合えたとしても…俺には“あいつ”のことが……｣



『そんなの後回しでいいだろ。その先の未来なんて考えるな。今お前が最初にすることはなんだ？それを乗り越えてから考えろ』



｢……っありがとう…碧が幼なじみで良かった｣



『なんだよ急に……。頑張れよ、誠也』



それを最後に、電話が切れた



ありがとう、碧



今度こそ……ちゃんと向き合おう